ファイナンシャルプランナーに無料で相談できるサービスを見つけたんだけど、なぜ無料なのかしら? 理由がわからないと不安だわ…。
相談無料のファイナンシャルプランナーにも別の収入源があります。
その仕組みを知れば、安心して相談できますよ。
この記事を読めば こんなことがわかる
・無料のファイナンシャルプランナー相談が成り立つ仕組み
・有料相談と無料相談の違い
・上手に無料相談を利用する方法
・無料相談を受けないほうが良い人
・有料相談のメリット
これからFP相談を受けようか迷っている人。
無料で相談できることを不安に思っている人は、この記事を読めば解決します。
なぜなら無料相談で約300組のお客さまに対応してきた ファイナンシャルプランナーが、事実を包み隠さず解説するからです。(執筆者:FP内田)
本記事で無料相談の仕組みや注意点を学んで、迷いや不安を解消しましょう。
理由① 相談は無料でも報酬が入ってくる仕組みがあるから
相談者はお金を払わないのに、どこから報酬を得るのか?
主な収入源が3つあるので順番に見ていきましょう。
- 保険を販売することで、保険会社から手数料収入を得ている
- 住宅ローンを斡旋することで、住宅ローン取扱事業者から手数料収入を得ている
- 無料相談会の主催者(自治体やハウスメーカーなど)から、相談料収入を得ている
保険の販売手数料
保険を販売したファイナンシャルプランナーは、保険会社から手数料を受け取ります。
無料でFP相談を引き受けても、相談者が保険を契約すればちゃんとお金が入ってくるわけですね。
私の経験上、相談の上位を占めるのは【1】ライフプランニング(家計相談)、【2】住宅購入(住宅ローン選択、借り換え)、【3】教育資金(学資積立、奨学金の選択)でしたから、対応するFPは相応の知識と経験が必要です。
相談者も悩みが解決したうえで 納得した保険に加入できるなら一石二鳥でしょう。
もちろん既に完璧な保険に入っていて見直しの余地がない人や、健康状態によっては保険に入れない人もいるので、すべての相談で収入(保険販売手数料)が得られるわけではありません。
つまり、保険販売による手数料が得られず 完全ボランティアになってしまうケースもあります。それどころか、面談場所までの交通費や (相談場所が喫茶店なら)コーヒー代が自腹負担だから赤字ですね。それでもFPが無料相談を引き受けるのは、たくさんの相談に乗ればトータルで利益が出ると考えるからで、実際 私もそうでした。
ただ、FPも人の子です。保険販売に結び付かない相談が続くと、無理に保険販売へ誘導したくなる衝動に襲われるかもしれません(私の杞憂であることを願っています)。もし保険を提案されたら、しっかり内容を見極めてから判断するようにしてください。
もし保険の営業を目的にするFPがいたら
早い段階でキッパリと断りましょう。
住宅ローンの斡旋手数料
保険に比べるとマイナーですが、住宅ローンからも手数料収入が得られます。
住宅購入者の大半が住宅ローンを利用しますが、どうせなら金利や手数料が低いほうがいいですよね?
最近の住宅ローンは団体信用生命保険の種類も増えて複雑になったので、自分に合った商品を選ぶのが大変になりました。
ですから ファイナンシャルプランナーが 相談者に合った住宅ローンを紹介すれば喜んでもらえます。
結果、相談者が提携先の住宅ローンを契約すると、ファイナンシャルプランナーは住宅ローン取扱事業者から手数料を受け取れる仕組みになっています。
提携先の住宅ローン以外を契約されたら収入ゼロ。
それでも顧客本位の提案できるか? FPの本性が試されます。
主催者が支払う相談料
自治体が公民館などで行う「家計相談会」では、主催者側からファイナンシャルプランナーへ相談料が支払われます。
市民サービスが目的なので「参加費は無料」のケースが多いようです。私の知る限り、こういった相談会では保険販売や住宅ローン斡旋は禁止されているので、何も心配せず気軽に参加してみましょう。
よく似ているもので、〇〇新聞社や△△協会などが主催する相談会やセミナーがありますが、これはまったくの別物。
主催者側からファイナンシャルプランナーへ報酬が支払われることは稀です。
むしろ、ファイナンシャルプランナーが受け取る保険版売手数料の一部を徴収する主催者が多いようです。こうした背景を考えると 保険販売目的のFPが紛れ込んでいるかもしれません。主催者による違いをよく認識しておきましょう。
ちなみに 住宅展示場で見かける住宅ローン相談会やマネーセミナーも、よほど著名なファイナンシャルプランナーでなければ、集客の場を与えてもらっている 無報酬のファイナンシャルプランナーが多いようです。セミナー後の個別相談を申し込んだら しつこく保険営業されて困ったという話も聞きますので用心してください。
報酬の有無が 相談の質を左右するとは言い切れないけど、
あらかじめ収入源を知っておいたほうが安心ですね。
理由② 有料相談へ進んでもらうためのサービスだから
はじめての敷居を低くする
初回無料FP相談というフレーズ、見かけませんか?
アップルミュージックでも最初の3か月は無料(2022年1月現在)ですし、お試し無料というのは昔から広く受け入れられた営業手法ですよね。
有料相談に申し込んだけど、「実際にファイナンシャルプランナーと面談してみたら期待外れだった」というケースもあるでしょう。そんなときでも、初回相談無料なら お金がムダになりません。ぜひ利用してみたいサービスです。
デメリットとして、「初回はヒアリングするだけで 具体的な解決策は何も教えてもらえなかった」のように残念な事例も耳にします。できればどこまでが無料で、どこから有料なのか、あらかじめ確認してから申し込むと失敗がないですね。
弊社も創業からしばらくは初回相談無料でした。
(ありがたいことに ご相談が増えたため、いまは無料相談終了)
断れない性格の人は注意
さて、2回目以降の有料相談に進む必要がないと判断したとき、あなたはキッパリと断れますか?
「せっかく来てくれたんだから」「時間をとってもらったのに申し訳ない」「断ったら気を悪くするんじゃないか…」って考えるものですよね。
これが初回無料相談の狙いです。まんまとハマってはいけません。
もし 断る自信がないなら、最初から相談しないほうがいいです。
あくまでお試し0円だから申し込んだのに、イヤでもお金を払うなら初回無料のメリットがありませんから。
理由③ 経験を積むための修行だから
FPは経験値が超重要
FP(ファイナンシャルプランナー)は資格試験に合格すれば、誰でも名乗れます。
けれど、相談してくれる人がいないと経験が積めません。どんな仕事でも経験を重ねることでプロになっていくものですが、とりわけFPは経験値が大事。だから報酬0円でも仕事がほしいんです。
私も独立当初は無料FP相談で約300組の相談者にお会いしました。
その経験があるから 今は自信を持って有料相談を実施できてます。
一方 相談者にしてみれば、新人FPより 経験豊富なFPのほうが良いでしょう。
でも 新人FPなら相談料0円、熟練FPなら相談料1万円という条件だとしたら、新人FPを選ぶ人だっているはず。
「もしかしたら経験の浅いFPが担当するかもしれない」という可能性も受け入れて相談するなら、FPと相談者がWin-Winの関係になっていますよね。
自分でFPを選びたいなら
もし 「自分が相談する分野の経験 が豊富なFP」を確実に選びたいのだとしたら、無料相談にこだわらず 有料のFP相談も選択肢に加えてみましょう。
Webサイトを見れば プロフィールから 経験年数や得意分野を調べられますし、文章を読んでいると なんとなく人間性が伝わってきます。
興味のあるFPは見つかったら、問い合わせフォームからいろいろ質問してみるのも オススメです。メールでやり取りして 信頼できるようなら申込をしてみると良いでしょう。
経験年数だけで FPの実力を測ることはできませんが、
FPを探すときの 判断基準として使ってみてはいかがですか?
まとめ
無料FP相談が成り立つワケを ご理解いただけたでしょうか。
うまく利用すれば、相談者にとってもメリットのある仕組みだと思いますので、「怖い」「怪しい」と構える必要はありません。注意点を考慮したうえで 利用を検討してみてください。
それではポイントをまとめます。
- 相談料はタダでも 相談者が保険に加入するとFPは手数料収入が得られる
- 保険だけでなく、相談者が借りる住宅ローンから斡旋手数料を受け取るFPもいる
- 自治体が主催するセミナーや相談会は 主催者からFPへ相談料が払われることがある
- 初回だけ無料で、2回目から有料になるケースもあるので事前に確認するべし
- 自分に合わないFPだと感じたら、キッパリと断る勇気を持とう
- 相談する前にFPを選びたいなら有料相談も検討してみよう
優秀なFPは あなたが抱いているお金の不安を解消し、「実現したい未来・目標」へ向かう推進力を与えてくれます。
ぜひお気に入りのFPを見つけて、あなたの人生に伴走してもらいましょう。
無料・有料を問わず、事前の情報収集が欠かせません。
よろしければ 下のバナーから相談の流れを確認してみてくださいね。