注文住宅でも値引きってできるのかしら?
もしできるのなら注意点やコツが知りたいわ。
注文住宅でも値引き交渉はできますよ。
本記事ではそのコツをご紹介します。
この記事を読めば こんなことがわかる
・値引きを言い出すタイミングと注意点
・複数の建築会社と打合せを進めるべきか 1社に絞るのはどの段階か
・値引きに成功しやすい時期はあるのか それはいつ頃か
・誰と交渉すれば良いのか
・成功する秘訣はあるのか 値引きを勝ち取るのはどんな人か
注文住宅を建てようと思っているけど、できればお得に建てたい。
値引き交渉のコツや注意点が知りたい.
そんな方はこの記事を読めば解決しますよ。
なぜなら、大手ハウスメーカーで7年間勤務し、独立後は ファイナンシャルプランナーとして住宅展示場に訪れた方々のライフプランをつくるお手伝いをするなかで、値引き交渉の成功例、失敗例をたくさん見てきた私(FP内田)が書くからです。
本記事でポイントと注意点を学んで、円満に値引き交渉を成功させましょう。
値引きを切り出すタイミング
注文住宅の値引きを言い出すタイミングは契約直前です。
図面だけでなく、設計や仕様がすべて決まってから切り出しましょう。理由は2つあります。
- 見えないところでグレードダウンされる心配がない
- ザイオンス効果が期待できる
注文住宅の値引きは注意が必要
「契約してから作る」注文住宅では、値引きした金額だけ建物や設備のグレードを下げることができます。
せっかく「いい家」を建てようとしているのに、気づかないところでグレードを下げられ、家の快適性が損なわれたら本末転倒。
値引き交渉は設計や仕様がすべて確定した段階で切り出しましょう。
建売住宅や分譲マンションでは、このような心配は無用です。
注文住宅を建てる人は気をつけてくださいね。
ザイオンス効果を利用する
ザイオンス効果って聞いたことありますか?
アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスによって1968年に論文発表された理論で「接触回数を多くすればするほど、その人は好意を抱くようになる」というもの。
注文住宅はゼロから設計するので営業さんとのお付き合いが長くなります。
担当していただいてから設計・仕様がすべて確定するまで、3か月~半年くらいかかることが多いのではないでしょうか。
最初は2~3週間に1回だった打合せも、佳境に入ると毎週顔を合わせるようになります。
これならザイオンス効果が期待できますよね?
好意を抱いた相手から依頼された値引きなら、
叶えてあげたいと思うのが人情というものでしょう。
複数の会社と商談するメリット
注文住宅の強みを生かす
注文住宅を建てるときは「どの建築会社でも選べる」という強みを生かしましょう。
構造・工法やデザインなど各社独自性はありますが、理想とする家を建築可能な会社が1社しかないことは稀で、たいてい2~3社はあるものです。
たとえば余計な柱や梁のない「大空間の吹き抜け」が希望の場合、木造なら「BF(ビッグフレーム)工法」が選べる住友林業が候補に挙がりますし、鉄骨造なら「ダイナミック・フレームシステム」が選べる積水ハウスが候補です。
切磋琢磨でブラッシュアップ
もちろん、2社と打ち合わせを進めるには2倍の労力と時間を要しますが、それだけの価値は十分にありますよ。
お互いの会社が競争してくれることで、より良い建築プランへブラッシュアップされますし、「どちらかに決める」段階で強烈な値引き材料になります。
お断りする場合は誠実に
ただし、契約に至らなかった会社の営業さんには相当なダメージを与えてしまいます(本当にごめんなさい)。
お断りする会社には感謝の意を示し、誠実にお伝えしましょう。
きちんとお断りする自信がない人は、
早めに1社に絞るほうがよいでしょう。
成功しやすい時期
決算ノルマは会社の宿命
毎年「決算セール」と書かれたノボリやチラシを見かける時期がありますよね?
トヨタや日産のようなクルマの販売店で見かけることが多いかもしませんが、当然 建築会社やハウスメーカーにも決算があります。
先ほど例に挙げた積水ハウスは1月決算ですし、住友林業は2020年から12月決算になりました(以前は3月決算)。
決算期が近づくと、契約になりそうな案件は なんとか決算に間に合わせようとするでしょう。
そこがチャンスです。
交渉の原則はギブ&テイク
「私にとって決算期は関係ないけれど、会社の事情に合わせて(少し急いで)契約します。そのかわり〇〇万円 値引きできませんか?」という感じですね。
交渉の原則はギブ&テイク。
「こちらが譲歩するぶん、あなたも譲歩してください」ということなら、交渉成立の可能性はグンと高まるでしょう。
決算期を逃したら?
ただ、決算期は1年に1度しかありません。
契約のタイミングが決算期と重ならない場合は、半期決算や四半期決算でも効果があるかもしれませんよ。
「その時期も逃した!」という場合、交渉を切り出すなら月初より「月末近く」をオススメします。
営業さんは契約の目標数字を達成することで評価されます。
月次で管理していない会社は少ないでしょう。
交渉の相手は誰が良いか
値引きを決済する人
営業さんがどんなに「値引きしてあげたい!」と思ってくれても、値引きの決定権を持っていなければ どうすることもできません。
では、誰と交渉すればよいのでしょう?
会社によって違いますが、ハウスメーカーの例で言えば「〇〇支社長」とか「〇〇支店長」クラスなら好結果が期待できると思います。
たった一度だけ使える必殺技
でも、なかなかそのレベルの上司が同席することはないですよね?
そこでひと工夫。
たとえば こんな風に提案してみましょう。
「次回の面談時に実印を持って来ます。こちらの希望を叶えていただけるなら、その場で契約しますので、値引きの決定権をお持ちの方にご同席いただけませんか?」
これ、本当に契約するつもりの会社に対して一度だけ使える必殺技です。
この方法で大きな値引きに成功した方をたくさん見てきましたよ。
もちろん、値引きに応じてくれたら
気持ちよく実印を押して契約しましょう。
相手をその気にさせるコツ
営業さんの反応は2通り
住宅展示場へ来場した方の資金相談を受けてていた私は、モデルハウスの控え室でハウスメーカーの営業さんと話をする機会が多かったのですが、お客様から値引きを依頼された営業さんが発する言葉は次の2通りでした。
- 〇〇さんのためなら △△所長に頭を下げてお願いしてみよう!
- ムリに決まってるじゃん××万円の値引きなんて。どう言って断ろうかな?
値引きに成功しやすい人
相手が値引きに応えるために頑張ってくれるか。それとも断られるか。
結果を左右する要因は何でしょうか?
私は「誠意と熱意」だと思います。
たくさんの成功例・失敗例を見てきましたが、営業さんに対して誠意のある態度でお願いする人、
「マイホームは どうしても あなたの会社で建てたい」という熱意が伝わる人は、値引き交渉が上手くいきます。
やっぱり営業さんが頑張ってくれるんですよね。
ウソは良くないですが、本当にその会社が気にっているなら その気持ちをドンドン営業さんに伝えましょう。
営業さんに熱意が伝わると
値引き成功の確率が断然アップしますよ。
まとめ
いかがでしたか?
注文住宅の値引き交渉も、それほど難しくないな。チャレンジしてみよう!と思っていただけたら嬉しいです。
それではポイントをまとめます。
- 設計や仕様のすべてが決まるまで値引きを口に出すべからず。グレードダウンの恐れあり。
- 契約直前まで1社に絞るな。ただしお断りする会社には礼儀を忘れずに。
- 決算直前がチャンス。ダメなら半期や四半期でも狙う価値あり。月初より月末近くがベター。
- 値引きの決定権を持っている相手と直接交渉するべし。決戦日を予告し、実印を持参せよ。
- 「誠意と熱意」が交渉を成功に導く。「あなたの会社で建てたい」という気持ちを伝えよう。
家づくりは金額が大きいので、感覚が鈍ってしまうもの。
普段だったら1万円の買い物でも熟考するのに、数千万円の契約になると10万円が小さく感じるのが恐ろしいですよね。
あなたの大切なお金です。
できるだけ有効に使いましょう。
ちょっとした努力で〇〇万円の値引きが成功したら大きいですよね? 個別のアドバイスをご希望の方はお気軽にご相談ください。